Pass
指定点の近傍を停止しないで通過するPTP動作です。
書式
Pass ポイント指定 [, {On | Off | MemOn | MemOff} ビット番号 [, ポイント指定 ... ]] [LJM [姿勢フラグ選択]]
パラメーター
- ポイント指定
- P番号, P(式), ポイントラベルを指定します。
ポイントデータに抜けがなく、昇順、または降順に並んでいる場合は、2つのポイント番号をコロンで結合してP(1:5)のように指定できます。 - ビット番号
- オンオフするI/O出力ビットまたは、メモリーI/Oビットを指定します。整数か出力ラベルで指定します。
- LJM
- 待避座標, 接近座標, 目標座標をLJM関数で変換します。省略可能です。
- 姿勢フラグ選択
- LJM関数に与える姿勢フラグ選択パラメーターを指定します。省略可能です。
解説
Passは、指定ポイントデータ付近を通過してロボットアームを動かします。指定ポイントデータ自体は通過しません。
ポイントデータを指定するには、(P0, P1, ...) を使います。各ポイントはカンマで区切ってください。
動作実行中に出力ビットをオン、またはオフするには、ポイント間をカンマで区切ってOn/Offコマンドを挿入してください。On/Offが挿入された直前のポイントにロボットのアームが達する前に、On/Offが実行されます。
Passの直後にもう1つのPassステートメントが続くと、制御は、最初のPassの最終指定点付近で停止せず、次のPassに移ります。
Passの直後にPass以外の動作コマンドが続くと、ロボットはPassステートメントの最終指定点で止まりますが、Fineによる位置決めは行いません。
Passの直後に動作コマンド以外のコマンド, ステートメント, ファンクションなどが続くと、Passで指定した最終点にロボットのアームが到達する前に、それらのコマンド, ステートメント, ファンクションなどが実行されます。
目標位置へのFineによる正確な位置決めが求められる場合は、下記例のように、目標位置を指定してPassのあとにGoを入れてください。
Pass P5; Go P5; On 1; Move P10
加速値または減速値が大きいほど、アームは指定点の近くを通過します。Pass命令を使うことで、障害物を避けることができます。
LJMパラメーターを使うと、LJM関数を使用するプログラムを簡略化できます。
例えば、
P11 = LJM(P1, Here, 1)
P12 = LJM(P2, P11, 1)
P13 = LJM(P3, P12, 1)
Pass P11, P12, P13
という4行のプログラムを
Pass P1, P2, P3 LJM 1
という1行のプログラムに置き換えることができます。
LJMパラメーターは垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)、およびRSシリーズロボットで有効です。
姿勢フラグ選択をデフォルト値で使用する場合は、省略が可能です。
Pass P1, P2, P3 LJM
Pass使用例
下記は、Pass命令を使ってロボットアームを操作する例です。
Function main
Jump P1
Pass P2 'アームをP2に近づけP2に到達する前に次のコマンドを実行
On 2
Pass P3
Pass P4
Off 0
Pass P5
Fend