SF_LimitSpeedS

安全速度監視(SLS)有効時に、速度を調整する機能について速度調整値を設定、表示します。

書式
SF_LimitSpeedS [SLS番号 [, 速度調整値]]

パラメーター

SLS番号
SLS番号を整数値、または以下に示す定数で指定します。省略可能です。

定数 内容
SLS_1 1 SLS_1有効時の速度調整値を設定、表示します
SLS_2 2 SLS_2有効時の速度調整値を設定、表示します
SLS_3 3 SLS_3有効時の速度調整値を設定、表示します
SLS_T 9 SLS_T有効時の速度調整値を表示します *1
SLS_T2 10 SLS_T2有効時の速度調整値を表示します *1
*1 SLS_TとSLS_T2については、本コマンドで速度調整値を設定することはできません。安全機能マネージャーで設定した監視速度で速度調整します。詳細は以下のマニュアルを参照してください。
"ロボットコントローラー 安全機能マニュアル"
速度調整値
速度を整数値 (0~10000、単位: mm/s)で指定します。省略可能です。0を指定した場合、自動で速度調整値が設定されます。初期値は0です。

解説

指定したSLS番号の速度調整値[mm/s]を設定します。第2パラメーターが省略されているときは、指定したSLS番号の速度調整値を表示します。

全パラメーターが省略されているときは、全てのSLS番号の速度調整値を表示します。

安全機能オプションが有効のときのみ使用できます。

速度調整対象

安全速度監視(SLS)有効時に✓で示した部位を速度調整します。
安全機能マネージャーでSLS速度監視する部位を選択することができますが、安全機能マネージャーの設定によらず、下記の表に従い速度調整します。

  • スカラロボット

    SLS監視可能部位 *1 SLS監視対象外
    ハンド シャフト先端 ツール位置 *2
    PTP動作
    CP動作

    *1 詳細は以下を参照してください。
    "ロボットコントローラー安全機能マニュアル"

    *2 Toolコマンドで現在選択されているツール位置です。

    記号 説明
    a ハンド(SLS監視可能部位)
    b シャフト先端
    c ツール位置
    d 肘(SLS監視可能部位)
  • 6軸ロボット

    SLS監視可能部位 *1 SLS監視対象外
    ハンド 手首 ツール位置 *2
    PTP動作
    CP動作

    *1 詳細は以下を参照してください。
    「ロボットコントローラー安全機能マニュアル」

    *2 Toolコマンドで現在選択されているツール位置です。

    記号 説明
    a 肘(SLS監視可能部位)
    b 肩(SLS監視可能部位)
    c ツール位置
    d ハンド(SLS監視可能部位)
    e 手首(SLS監視可能部位)

注意


  • SF_LimitSpeedSEnableは特異点回避, コンベヤートラッキング, 力制御機能と同時に使えません
    SF_LimitSpeedSEnableのデフォルト設定はOnです。特異点回避, コンベヤートラッキング, 力制御機能の動作中に本機能で速度調整を行うと動作エラー (それぞれ4093, 4403, 5830)になります。また、SF_LimitSpeedSEnableがOnの場合、コンベヤー動作開始時に4500エラーが発生します。
    これらの動作でSLSを使う場合、動作開始前にSF_LimitSpeedSEnableをOffにしてください。 また、SF_PeakSpeedS, SF_RealSpeedSを使ってロボットアーム動作速度を計測し、SLS監視速度 (安全機能パラメーター)を超えないようにロボットアーム動作速度をSpeed, SpeedFactor, SpeedSなどを使用して制御してください。

  • CP動作の場合、SF_LimitSpeedSで速度調整される部位は現在選択されているツール位置です
    安全機能マネージャーのTCPオフセットで指定した位置は、Toolコマンドに自動設定されません。Toolコマンドを利用し、適切なTCP位置を設定してください。

  • 本機能は安全速度監視(SLS)の監視速度を超えないことを保証するものではありません
    SLSの監視速度を超過する場合は、SF_PeakSpeedS, SF_RealSpeedSを使ってロボットアーム動作速度を計測し、SLSの監視速度を超えないようにロボットアーム動作速度をSpeed, SpeedFactor, SpeedSなどを使用して制御してください。


ヒント


速度調整値はコントローラー起動時には0(自動設定)です。通常は0のまま利用することを推奨します。

Go命令などのPTP動作の場合、SLS有効時は各部位が監視速度を超えないように動作します。 Move命令などのCP動作の場合、SLS有効時はツール位置のみが監視速度を超えないように動作します。その他の部位がSLS監視速度を超過してエラーとなる場合、SpeedS、SpeedFactor等を利用して速度を制限してください。


SF_LimitSpeedS使用例
SLS_1の速度調整値を1500mm/sに設定する方法

SF_LimitSpeedS SLS_1, 1500

SLS_2の速度調整値を表示する方法 (コマンドウィンドウを使用)

> SF_LimitSpeedS SLS_2
SLS_2: 400

全てのSLS番号の速度調整値を表示する方法 (コマンドウィンドウを使用)

> SF_LimitSpeedS
SLS_1: 1500
SLS_2: 400
SLS_3: 750
SLS_T: 250
SLS_T2: 3000