SFree
指定した関節をフリー状態にします。
書式
SFree [関節番号[ , 関節番号,... ]]
パラメーター
- 関節番号
- 関節の番号 (1~9の整数)を、式または数値で指定します。付加軸のS軸は8、T軸は9になります。
解説
SFreeは、指定された関節のモーターパワーを遮断します。このときの状態をフリージョイント状態とよびます。この命令は、ダイレクトティーチングや、指定された関節のみフリージョイント状態にして組み込みを行う時などに使います。その関節のフリージョイント状態を解除するにはSLock命令、Motor On、またはMotor Offを実行します。
SFree命令を実行すると、ロボット制御パラメーターを初期化します。
詳細は、Motor Onを参照してください。
注意
SFree で、システム設定の一部が初期化されます
SFreeは安全のため、ロボットの動作速度や加減速度にかかわるパラメーター (Speed, SpeedS, Accel, AccelSなど)およびLimZパラメーターを初期化します。詳細は、Motor Onを参照してください。
ファームウェアバージョン7.5.1.0より前では、Motor ON状態のみでSFree可能です。
SFreeは、ファームウェアバージョンによって、以下のように動作が変わります。
ファームウェア SFreeの可否 7.5.1.0より前 モーターオン時のみ 7.5.1.0以降 モーターオン時、およびモーターオフ時
重要事項
SFreeを水平多関節型ロボット (RSシリーズを含む)の第3関節、および第4関節に用いるとき
水平多関節型ロボット (RSシリーズを含む)の第3関節には電磁ブレーキがかかるので、SFreeを設定しても第3関節はすぐに動くわけではありません。手動で第3関節を動かすには、ロボットアーム上部にあるブレーキ解除スイッチを押し続けることが必要です。
また、第4関節にブレーキがある機種があります。第4関節にブレーキがある機種の場合、第4関節に電磁ブレーキがかかるので、SFreeを設定しても第4関節はすぐに動きません。手動で第4関節を動かすには、ロボットアーム上部にあるブレーキ解除スイッチを押しながら動かします。
SFreeを垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)に用いることはできません
垂直6軸型ロボット (Nシリーズを含む)でSFreeを行った場合、エラーが発生します。
手動でアームを動かす場合、Motor Off後にBrake Offで電磁ブレーキを解除してください。
関節がフリージョイント状態にあるときに動作コマンドを実行する
関節がフリージョイント状態にあるときに動作コマンドを実行すると、コントローラーがデフォルト状態ではエラーになります。1関節でもフリージョイント状態にあるときに動作命令を行うには、[セットアップ]メニューの[システム設定]-[コントローラー]-[環境設定]パネルの、[関節が非励磁状態での移動命令を許可]チェックボックスをチェックします。
コンベヤートラッキング中にSFreeを使用しないでください
コンベヤートラッキング中にSFreeを使用した場合、エラー5057,5058などが発生します。コマンドCnv_AbortTrackなどでコンベヤートラッキングを終了させた後、SFreeを使用してください。
参照
Brake, LimZ, Motor, SFree関数, SLock
SFree使用例
SFree命令の簡単な使用例です。この例で作動するには、[セットアップ]メニューの[システム設定]-[コントローラー]-[環境設定]パネルの、[関節が非励磁状態での移動命令を許可]チェックボックスがチェックされていなければいけません。
Function GoPick
Speed pickSpeed
SFree 1, 2 'J1とJ2をフリージョイント状態にして
パーツ取りつけのためZとU関節を動かす
Go pick
SLock 1, 2 'J1とJ2のフリージョイント状態を解除する
Fend