CAD to Point for ECP (6軸ロボット)
CAD To Point for ECPは、CADデータに含まれるエッジ (稜線)の情報を、外部制御点(ECP)動作をするためのポイントデータとして出力する機能です。仮想コントローラーでは、ECP機能を使用できます。実機コントローラーの場合、ECPライセンスの購入が必要です。ロボットにワークを把持させて、3D表示画面上にあるCADオブジェクトのエッジを順次選択することで、移動経路に沿ったポイントデータを生成することができます。パーツなどのCADデータをもとに、ロボット動作のポイントを自動登録できます。そのためプログラムの開発時間が短縮できます。
簡単なCADデータを使ったサンプルを使用してCAD To Point for ECPを実行してみましょう。
この例では、固定したシリンジ先端にロボットが把持したCADオブジェクト (トレイ)の外周をなぞらせる動作を作成します。
次の手順を実行します。
- 仮想コントローラー "CTPforECP C4-B"に接続する
- プロジェクトを開く
- CADオブジェクトとECPを選択する
- CADオブジェクトのエッジを選択し、ロボットの移動経路をつくる
- ポイントデータとして出力する
- プログラムを作成する
- プログラムを実行してロボットを動かす
仮想コントローラー "CTPforECP C4-B"に接続する
Epson RC+ 8.0ツールバー-[接続状態]から、"CTPforECP C4-B"を選択します。接続が完了すると、[接続状態]ボックスには"CTPforECP C4-B"が表示されます。
ツールバー-
[シミュレーター]ボタンをクリックし、[シミュレーター]ウィンドウを表示します。CADオブジェクト"sample_part", "syringe", Handオブジェクトが配置されています。
プロジェクトを開く
- Epson RC+ 8.0メニュー - [プロジェクト] - [プロジェクトを開く..]をクリックします。
- [Projects] - [SimulatorDemos] - [CTP_for_ECP_C4_B]を選択します。
- [開く]ボタンをクリックします。
CADオブジェクトとECPを選択する
ツールバー-
[CAD to Point for ECP]ボタンをクリックし、[CAD および ECP選択]ダイアログを表示します。
次のように設定します。
- CAD: sample_part
- ロボット: 1
- ツール: 1
- オフセット設定 (X, Y, Z, Rx, Ry, Rz): 0.000
- ECP: 1
CADオブジェクトのエッジを選択し、ロボットの移動経路をつくる
[エッジ選択]ボタンをクリックし、[CAD to Point (ECP対応)]ダイアログを表示します。
このサンプルプログラムを正常に動作させるために、トレイ右側の直線部のエッジから、反時計回りに順次エッジを選択します。エッジを含む面の選択と、エッジの選択については、以下を参照してください。
直線部は、外周の縁のフラットな面にあるエッジを選択します。
曲線部は、トレイ側面にあるエッジを選択します。
各エッジの分割数とオフセットは、以下の値を設定してください。
| エッジ番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種別 | 直線 | 曲線 | 直線 | 曲線 | 直線 | 曲線 | 直線 | 曲線 | ||
| 分割数 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 2 | ||
| オフセット | 位置(mm) | X | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| Y | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
| Z | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
| 姿勢(deg) | Rx | 20 | -70 | 20 | -70 | 20 | -70 | 20 | -70 | |
| Ry | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
| Rz | 0 | 0 | -90 | 0 | 180 | 90 | 90 | 180 | ||
ヒント
エッジの矢印の向きは、生成するポイントの始点から終点の向きを表します。[反転]ボタンをクリックすると、矢印の向きを反転することができます。矢印の向きが反時計回りになるように設定してください。
全てのエッジを正しく設定すると以下のようになります。
ポイントデータとして出力する
[CAD to Point (ECP対応)]ダイアログの[エクスポート]ボタンをクリックすると、[ポイント出力]ダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックすると、ポイントファイル "robot1.pts"のNo.0-12にポイントデータが出力されます。
プログラムを作成する
ポイントデータに適切なロボット姿勢を設定します。
オブジェクトツリーからポイントファイル"robot1.pts"を開き、次の変更を行います。
- 出力したポイントNo.0-12の手首姿勢 (Wrist): NoFlip → Flip
- ポイントNo.10-12のJ6Flag: 0 → 1
Main.prgプログラムに以下のプログラムを作成します。
Function main Motor On Power High Tool 1 ECP 1 Go P0 Move P1 ECP CP Arc3 P2, P3 ECP CP Move P4 CP Arc3 P5, P6 ECP CP Move P7 CP Arc3 P8, P9 ECP CP Move P10 CP Arc3 P11, P12 ECP CP Pulse 0, 0, 0, 0, 0, 0 Motor Off Fendツールバーの[プロジェクトのビルド]ボタンをクリックします。プログラムがビルドされます。
ビルドが正常に完了すると、ステータスウィンドウに"ビルドが正常に終了しました。"と表示されます。
プログラムを実行してロボットを動かす
- ツールバーの
[Runウィンドウ]ボタンをクリックし、Runウィンドウを表示します。
- [開始]ボタンをクリックします。"プログラムを開始しますか?"と聞かれるので、[はい]をクリックします。
- プログラムが実行され、固定したシリンジ先端にロボットが把持したCADオブジェクト (トレイ)の外周がなぞってECP動作することを確認します。
- ツールバーの
CAD to Point for ECPの機能
ツールバー- [CAD to Point for ECP]ボタンをクリックすると、[CAD to Point (ECP対応)]ダイアログが表示されます。機能については、以下を参照してください。
CAD To Point (6軸ロボット) - "CAD to Pointの機能"