コマンド 2000: 現在の位置から指定位置までPTP動作で移動

アーム現在位置から指定位置までPTP動作で動かします。

コマンド書式

  1. オプション
    目標位置の指定方法や各種オプションの指定を行います。このコマンドはオプションの指定により必要となる引数の数が可変となります。引数の数に影響する指定はスピード/アクセルの指定と目標位置の指定方法です。その他のオプションは影響しません。
    オプションによる引数2以降については (2)以降にしたがってください。
    オプションは引数1で指定します。
bit 名称 説明
引数1 15 Till / Find

Till, Findオプションを指定

0 = 指定しない

1 = Till

2 = Find

14
13 並列処理

並列処理を行うか選択

0 = なし

1 = あり

12 CP

パスモーションを行うか指定

0 = なし

1 = あり

11 スピード / アクセル

動作実行前にスピード/アクセルの設定を行うかを指定

0 = 設定しない

1 = Speedのみ設定

2 = SpeedSのみ設定

3 = SpeedRのみ設定

4 = Accelのみ設定

5 = AccelSのみ設定

6 = AccelRのみ設定

7 = SpeedとAccelを設定

8 = SpeedSとAccelSを設定

9 = SpeedRとAccelRを設定

10
9
8
7 予約 0を設定
3
2 目標位置指定方法

目標位置の指定方法を選択

0 = ポイント番号による指定

1 = パレットによる位置指定

2 = パレットによる座標指定

1
0

  1. 目標位置指定方法にポイント番号による指定を選択、スピード/アクセル指定なし
    この場合は、引数2までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2
bit 名称 説明
引数2 15 ポイント番号 目標位置をポイント番号で指定
14
1
0

  1. 目標位置指定方法にパレットによる位置指定を選択、スピード/アクセル指定なし
    この場合は、引数3までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 位置 パレットの位置を指定
14
1
0

  1. 目標位置指定方法にパレットによる座標指定を選択、スピード/アクセル指定なし
    この場合は、引数4までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 パレットの列を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 パレットの行を指定
14
1
0

  1. 目標位置指定方法にポイント番号による指定を選択、スピード/アクセル指定あり
    この場合は、引数3までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3
bit 名称 説明
引数2 15 ポイント番号 目標位置をポイント番号で指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 Speed / SpeedS / SpeedR

選択した種別の速度テーブルの番号を0から15の整数で指定

* 設定がない場合は0を指定

8
7 Accel / AccelS / AccelR

選択した種別の加減速テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

0

  1. 目標位置指定方法にパレットによる位置指定を選択、スピード/アクセル指定あり
    この場合は、引数4までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 位置 パレットの位置を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 Speed / SpeedS / SpeedR

選択した種別の速度テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

8
7 Accel / AccelS / AccelR

選択した種別の加減速テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

0

  1. 目標位置指定方法にパレットによる座標指定を選択、スピード/アクセル指定あり
    この場合は、引数5までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4, 引数5
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 パレットの列を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 パレットの行を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数5 15 Speed / SpeedS / SpeedR

選択した種別の速度テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

8
7 Accel / AccelS / AccelR

選択した種別の加減速テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

0

応答書式

以下を参照して下さい。

応答コード

解説

アームを、現在位置から指定位置までPTP動作で動かします。

Goは、マニピュレーターアームのすべての関節を、同時にPTP動作で動かします。

本機能では目標座標の指定は、ポイント番号の指定とパレットの指定により行います。

動作の経路は、各関節がそれぞれ現在のポイントから目標座標までを補間するため、軌跡は予測できません。周辺装置との干渉に十分注意してください。

Go命令の動作速度は、Speed 命令で設定します。加減速度は、Accel 命令で設定します。

CPオプションをつけた場合は、動作の減速開始時に次の動作命令の加速を重ね合わせることが可能です。この場合には、目標座標には位置決めされません。

I/Oへの出力を動作中に実行させたいときに、並列処理オプションを指定するができます。使用する場合は、事前に、並列処理リストコマンドにより条件リストの登録と、動作命令で使用するリストを選択してください。

注意

  • GoとMoveの違い
    MoveとGoは、ともにマニピュレーターアームを動作させる命令です。両者の間の大きな違いは、GoがPTP動作させるのに対し、Moveは直線軌道でアームを移動させることです。目標ポイントに到着したときのアームの姿勢が重要であるときはGo 命令を用いますが、動作中のアームの軌道を制御することがより重要である場合は、Move 命令を使います。

  • GoとJumpの違い
    JumpとGoは、ともにマニピュレーターアームをPTP動作で移動させる命令です。しかし、Jumpには、Goにない機能が1つあります。Jumpでは、マニピュレーターのハンドをまずLimZ値まで持ち上げてから、アームを水平移動させ、目標座標の上空にきたところで下降移動させる、という動きをさせることです。この動きのメリットは、障害物をより確実に避けることができる点と、さらに重要なのは、吸着や配置動作による作業のサイクルタイムの向上にあります。

  • Goに適切な速度と加減速度指示を与える
    Go命令の動作速度と加減速度の設定は、SpeedとAccel命令で行います。非常に重要なことですが、SpeedとAccel命令はGo命令と同じく、PTP動作に対する設定を行います。直線および円弧補間動作の速度や加減速度の設定は、SpeedSとAccelS命令で行います。

  • Tillオプションを用いるGoの用法
    Tillオプションを用いることで、Go命令で指定された目標座標に到着する前に、目標座標までの通過点で、マニピュレーターを減速停止する条件を設定することができます。もしTill条件が成立しない場合は、マニピュレーターはそのまま目標座標まで移動します。
    現在のTill条件が成立したかどうかチェックします。成立すれば、Goが指定した動作の完了を待たずにマニピュレーターを途中通過点で減速停止させることで、コマンドの実行は完了します。
    Tillを用いる場合には、事前にTill設定コマンドにより条件を指定してください。

  • Find修飾子を用いるGoの用法
    Findオプションを用いることで、Go命令による動作中にマニピュレーターに1つの位置を記録するよう条件設定するこができます。
    現在のFind条件が成立したかどうかチェックします。成立すれば、現在の位置を特別なポイントに保存します。ポイント編集コマンドを使用して希望するポイントの座標が取得できます。取得したポイントを使用して、条件が成立した位置へ移動できます。

  • Go命令では停止前に必ず減速
    Go命令では、アームが動作の目標座標に停止する前に、必ず減速します。

  • 起こりやすいエラー
    可動範囲外にマニピュレーターを動作させようとしたとき:
    目標座標を直接座標で設定する場合、その座標位置がマニピュレーターの可動範囲内にあるか、必ず確認してください。マニピュレーターの可動範囲内外が指定されていると、エラーが発生します。

使用例

ポイント番号指定でポイント1を指定、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D0H 0000H 0001H 07D0H 0000H 0000H

パレット位置指定でパレット15を指定、位置10、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D0H 0001H 000FH 000AH 07D0H 0000H 0000H

パレット座標指定でパレット15を指定、列 = 1、行 = 3、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D0H 0002H 000FH 0001H 0003H 07D0H 0000H 0000H

パレット座標指定でパレット15を指定、列 = 1、行 = 3、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D0H 0100H 0001H 0800H 07D0H 0000H 0000H