コマンド 2002: アームを3次元ゲート動作で移動

3次元ゲート動作、2つのCP動作と1つのPTP動作で動かします。

コマンド書式

  1. オプション
    目標位置の指定方法や各種オプションの指定を行います。このコマンドはオプションの指定により必要となる引数の数が可変となります。引数の数に影響する指定はスピード/アクセルの指定です。
    その他のオプションは影響しません。
    オプションによる引数2以降は、「2」以降にしたがってください。
    オプションは引数1で指定します。
bit 名称 説明
引数1 15 Till / Find / Sense

Til, Find, Senseオプションを指定

0 = 指定しない

1 = Till

2 = Find

3 = Sense

14
13 並列処理

並列処理を行うかを選択

0 = なし

1 = あり

12 CP

パスモーションを行うかを指定

0 = なし

1 = あり

11 スピード / アクセル

動作実行前に、スピード/アクセルの設定を行うかを指定

0 = 設定しない

1 = Speedのみ設定

2 = SpeedSのみ設定

3 = SpeedRのみ設定

4 = Accelのみ設定

5 = AccelSのみ設定

6 = AccelRのみ設定

7 = SpeedとAccelを設定

8 = SpeedSとAccelSを設定

9 = SpeedRとAccelRを設定

10
9
8
7 予約 0を設定
6 アーチ

アーチを使用する場合: 0から6の整数でアーチ番号を指定

アーチを使用しない場合: 7を指定

5
4
3 予約 0を設定

  1. スピード/アクセル指定なし
    この場合は、引数4までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4
bit 名称 説明
引数2 15 ポイント番号 目標位置をポイント番号で指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 接近開始座標 目標座標より上の接近開始点をポイント番号で指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 目標座標 動作の到達する目標座標をポイント番号で指定
14
1
0

  1. スピード/アクセル指定あり
    この場合は、引数5までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4, 引数5
bit 名称 説明
引数2 15 退避座標 現在位置より上の退避点をポイント番号で指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 接近開始座標 目標座標より上の接近開始点をポイント番号で指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 目標座標 動作の到達する目標座標をポイント番号で指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数5 15 Speed / SpeedS / SpeedR

選択した種別の速度テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定。

8 Accel / AccelS / AccelR

選択した種別の加減速テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定。

7
0

応答書式

以下を参照して下さい。

応答コード

解説

アームを3次元ゲート動作で移動します。

2つのCP動作と1つのPTP動作の組み合わせです。

アームを現在位置から目標座標まで3次元ゲート動作で移動します。3次元ゲート動作は、退避動作, スパン動作, 接近動作から成り立っています。現在位置から退避座標までの退避動作はCP動作です。退避座標から接近開始座標までのスパン動作は、Jump3の場合はPTP動作、Jump3CPの場合はCP動作です。接近開始座標から目標座標までの接近動作は、CP動作になります。

記号 説明
a 現在位置
b 退避動作 CP
c 退避座標
d スパン動作 PTP/CP
e 接近開始座標
f 接近動作 CP
g 目標座標

アーチ動作は、アーチ番号の設定によって行います。

Jump3とJump3CP のアーチ動作は下図に示すとおりです。

退避距離はArch上昇距離よりも長く、接近距離はArch下降距離よりも長くしてください。

記号 説明
a 退避距離
b Arch上昇距離
c 退避座標
d 接近開始座標
e 接近距離
f Arch下降距離

Jump3CPの速度と加減速度はそれぞれSpeedSとAccelSの設定値を使用します。速度と加減速度の関係については、注意の「Jump3, Jump3CPをCPとともに用いる」を参照してください。ただし、ROT修飾パラメーターを指定しているときの速度と加減速度はそれぞれSpeedRとAccelRの設定値を使用します。この場合、SpeedSとAccelSの設定値は無効となります。

通常、移動距離が0で、姿勢関節のみが動作するような場合にはエラーとなります。ROT修飾パラメーターをつけてツール姿勢変化の加減速を優先することでエラーなく動作が可能になります。ROT修飾パラメーターをつけたとき、姿勢が変化なく、移動距離が0でない場合にはエラーとなります。

また、移動距離に対してツール姿勢変化速度が大きすぎる場合や、指定された回転速度がマニピュレーターの限度を越えている場合もエラーとなります。その場合は指定速度を落とすか、またはROT修飾パラメーターをつけて姿勢変化の加減速度を優先するようにしてください。

注意

LimZ は、Jump3とJump3CPには影響しません。

スパン動作は、必ずしも座標系のZ軸に垂直とは限らないため、LimZ は、Jump3とJump3CPには影響しません。

Jump3のスパン動作はPTP動作です。

PTP動作はその軌跡が予測しにくいため、マニピュレーター本体や周辺装置との干渉に十分注意してください。

  • Jump3, Jump3CPをCPとともに用いる
    CPオプションを使うと、動作命令は減速開始と同時に制御を次のステートメントに移します。これは、ユーザーがいくつかの動作命令をつなげ、連続した動作を一定の速度で行わせたいときに便利です。CP指定なしのJump3命令とJump3CP命令では、アームは必ず減速して、指定された目標座標に停止します。

  • Jump3のPass機能
    接近動作量が0のJump3にCPオプションをつけた場合、そのJump3のスパン動作が減速停止することなく、直後に続くPTP動作と滑らかに接続できます。
    また、直前のPTP動作命令にCPオプションをつけた場合、退避動作量が0のJump3は、そのPTP動作が減速停止することなく、Jump3のスパン動作と滑らかに接続できます。
    これは、通常のJump3のスパン動作 (1つのPTP動作)を、いくつかのPTP動作が滑らかに接続する動作に置きかえたい場合に便利です。

  • Jump3CPのPass機能
    接近動作量が0のJump3CPにCPオプションをつけた場合、そのJump3CPのスパン動作が減速停止することなく、直後に続くCP動作と滑らかに接続できます。
    また、直前のCP動作命令にCPオプションをつけた場合、退避動作量が0のJump3CPは、そのCP動作が減速停止することなく、Jump3CPのスパン動作と滑らかに接続できます。これは、通常のJump3CPのスパン動作 (1つのCP動作)を、いくつかのCP動作が滑らかに接続する動作に置きかえたい場合に便利です。

    記号 説明
    a 始点
    b 終点
  • アーチ使用時の重要事項
    アーチモーションは、動作の合成を軌跡制御上で行うため、実際の軌跡を保証できるものではありません。動作速度やアームの動き方によってその軌跡は変化します。実際の軌跡は、作業で使用する実速度と姿勢で確認してください。

    • 同じ位置で、同じアーチ番号を持つJump3命令を実行しても、高速動作時と比較して低速時の軌跡は低くなります。したがって、高速で障害物に衝突しないことを確認しても、低速で動作すると衝突する可能性がありますので注意してください。
    • 低速動作時より高速動作の方が、合成なしの退避移動量が増え、合成なしの接近移動量が減る傾向にあります。期待した移動距離が出ない場合は、速度や減速度を下げるか、接近距離を長めに設定してください。
    • 同じ距離の動作であっても、アームの動き方によって軌跡は変化します。
  • 起こりやすいエラー
    退避動作 (接近動作)とスパン動作で、主に動作する関節が同じ場合:
    Jump3, Jump3CPコマンドでアーチモーションを実行中に、異常加速度エラーが発生することがあります。これは、退避動作 (接近動作)とスパン動作で、主に動作する関節が同じ場合に特に顕著となります。このような場合は、Jump3の場合はAccel命令で、Jump3CPの場合はAccelS命令でスパン動作の加減速度を下げることにより回避してください。また、動作姿勢によっては、AccelS命令で退避動作 (接近動作)の加減速度を下げることが有効な場合もあります。

使用例

退避座標をポイント1、接近開始座標をポイント2、目標座標をポイント3、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D2H 0070H 0001H 0002H 0003H 07D2H 0000H 0000H