コマンド 2006: XY平面で、アームを現在位置から指定位置まで円弧補間動作で移動

XY平面で、アームを現在位置から指定位置まで円弧補間動作で動かします。

コマンド書式

  1. オプション
    目標位置の指定方法や各種オプションの指定を行います。このコマンドはオプションの指定により必要となる引数の数が可変となります。引数の数に影響する指定はスピード/アクセルの指定です。
    その他のオプションは影響しません。
    オプションによる引数2以降は、(2)以降にしたがってください。
    オプションは、引数1で指定します。
bit 名称 説明
引数1 15 Till / Find

Till, Findオプションを指定

0 = 指定しない

1 = Till

2 = Find

14
13 並列処理

並列処理を行うかを選択

0 = なし

1 = あり

12 CP

パスモーションを行うかを指定

0 = なし

1 = あり

11 スピード / アクセル

動作実行前に、スピード/アクセルの設定を行うかを指定

0 = 設定しない

1 = Speedのみ設定

2 = SpeedSのみ設定

3= SpeedRのみ設定

4 = Accelのみ設定

5 = AccelSのみ設定

6 = AccelRのみ設定

7 = SpeedとAccelを設定

8 = SpeedSとAccelSを設定

9 = SpeedRとAccelRを設定

10
9
8
7 ROT

ツール姿勢変化を優先させ、動作の速度と加減速度を決定

0 = 使用しない

1 = 使用する

6 予備 0を設定
0

  1. スピード/アクセル指定なし
    この場合は、引数3までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3
bit 名称 説明
引数2 15 経由座標

ポイント番号で指定

アームが、現在位置から目標座標に移動するまでの軌道で通過しなくてはいけないポイントです。

あらかじめユーザーがティーチングしておきます。

14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 目標座標

ポイント番号で指定

アームが円弧動作で移動する到達地点 (目標位置)です。

あらかじめユーザーがティーチングしておきます。

14
1
0

  1. スピード/アクセル指定あり
    この場合は、引数4までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4
bit 名称 説明
引数2 15 経由座標

ポイント番号で指定

アームが、現在位置から目標座標に移動するまでの軌道で通過しなくてはいけないポイントです。

あらかじめユーザーがティーチングしておきます。

14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 目標座標

ポイント番号で指定

アームが円弧動作で移動する到達地点 (目標位置)です。

あらかじめユーザーがティーチングしておきます。

14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 Speed / SpeedS / SpeedR

選択した種別の速度テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

8
7 Accel / AccelS / AccelR

選択した種別の加減速テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

0

応答書式

以下を参照して下さい。

応答コード

解説

XY平面で、アームを現在位置から指定位置まで円弧補間動作で動かします。

マニピュレーターが、水平多関節型 (RSシリーズを含む)でも垂直6軸型でも使うことができます。

ArcとArc3は、アームを現在位置から目標座標まで、経由座標を通過して円弧補間動作で動かすときに使われます。

与えられた3点 (現在地, 経由座標, 目標座標)から自動的に円弧補間軌道を演算し、目標座標に至るまで、その軌道にそってアームを動かします。経由座標と目標座標は、命令の実行前に、あらかじめティーチングしておきます。

ArcとArc3の速度と加減速度は、それぞれSpeedSとAccelSの設定値を使用します。速度と加減速度の関係については、注意の「Arc, Arc3をCPとともに用いる」を参照してください。ただし、ROT修飾パラメーターを指定しているときの速度と加減速度はそれぞれSpeedRとAccelRの設定値を使用します。この場合、SpeedSとAccelSの設定値は無効となります。

通常、移動距離が0で、姿勢関節のみが動作するような場合にはエラーとなります。ROT修飾パラメーターをつけてツール姿勢変化の加減速を優先することで、エラーなく動作が可能になります。ROT修飾パラメーターをつけたとき、姿勢変化がなく、移動距離が0でない場合には、エラーとなります。

Arc動作の速度と加速度の設定

ArcとArc3命令に対する速度と加減速度の設定は、それぞれSpeedS と AccelS により行います。

SpeedSで速度 (単位: mm/sec)、AccelSで加減速度 (単位: mm/sec2)を指定します。

注意

Arc命令は水平面においてのみ有効です。

Arc命令によって描かれる軌道はXY平面上での真円弧になります。Z方向や姿勢については、現在のポイントと目標座標値を補間します。Arc3では3次元空間における円弧軌道を指定することができます。

  • Arc命令に対する範囲確認
    ArcとArc3ステートメントは、Arc動作に先立って軌道範囲確認の演算を行うことができません。したがって、目的位置が動作エリア内でも、軌道がエリア外にでると停止することがあります。そのとき衝撃が生じ、アームに障害を与える可能性がありますので、あらかじめプログラムを低速で走らせて軌道を確認しておくことが必要です。

  • Arc動作の設定にあたって
    Arcコマンドによる円弧動作は、現在位置から開始されるため、ArcとArc3の実行に先立って、あらかじめGoやJumpその他の関連動作コマンドを使って、マニピュレーターのアームを適切な位置に動かしておくことが必要な場合もあります。

  • Arc, Arc3をCPとともに用いる
    CPパラメーターを使うと、動作命令は減速開始と同時に制御を次のステートメントに移します。これは、ユーザーがいくつかの動作命令をつなげ、連続した動作を一定の速度で行わせたいときに便利です。CP指定なしのArc命令やArc3命令では、アームは必ず減速して、指定された目標座標に停止します。

  • 起こりやすいエラー

    • ハンドの属性を変更するとき:
      Arc命令を使用する場合は、各ポイントのハンドの属性に注意してください。円弧補間動作の間にハンドの向きが変更されると (例えば右手から左手、その逆の変更など)、エラーになります。アームの属性値 (/L左腕、/R右腕)は、実際の現在位置、経由座標や目標座標と一致していなければいけません。
    • 可動範囲外にアームを動かそうとするとき:
      もし指定された円弧動作が、アームを可動範囲外に動かそうとしていると、エラーになります。

使用例

経由座標をポイント1、目標座標をポイント2、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D6H 0000H 0001H 0002H 07D6H 0000H 0000H