コマンド 2005: アームを現在位置から指定位置まで直線補間動作で移動

現在位置から目標位置まで直線補間動作で動かします。

コマンド書式

  1. オプション
    目標位置の指定方法や各種オプションの指定を行います。このコマンドはオプションの指定により必要となる引数の数が可変となります。引数の数に影響する指定はスピード/アクセルの指定と目標位置の指定方法です。 その他のオプションは影響しません。 オプションによる引数2以降は、(2)以降にしたがってください。
bit 名称 説明
引数1 15 Till / Find

Till, Findオプションを指定

0 = 指定しない

1 = Till

2 = Find

14
13 並列処理

並列処理を行うかを選択

0 = なし

1 = あり

12 CP

パスモーションを行うかを指定

0 = なし

1 = あり

11 スピード / アクセル

動作実行前に、スピード/アクセルの設定を行うかを指定

0 = 設定しない

1 = Speedのみ設定

2 = SpeedSのみ設定

3 = SpeedRのみ設定

4 = Accelのみ設定

5 = AccelSのみ設定

6 = AccelRのみ設定

7 = SpeedとAccelを設定

8 = SpeedSとAccelSを設定

9 = SpeedRとAccelRを設定

10
9
8
7 ROT

ツール姿勢変化を優先させ、動作の速度と加減速度を決定

0 = 使用しない

1 = 使用する

6 予備 0を設定
3
2 目標位置指定方法

目標位置の指定方法を選択

0 = ポイント番号による指定

1 = パレットによる位置指定

2 = パレットによる座標指定

1
0

  1. 目標位置指定方法にポイント番号による指定を選択、スピード/アクセル指定なし
    この場合は、引数2までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2
bit 名称 説明
引数2 15 ポイント番号 目標位置をポイント番号で指定
14
1
0

  1. 目標位置指定方法にパレットによる位置指定を選択、スピード/アクセル指定なし
    この場合は、引数3までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 位置 パレットの位置を指定
14
1
0

  1. 目標位置指定方法にパレットによる座標指定を選択、スピード/アクセル指定なし
    この場合は、引数4までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 パレットの列を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 パレットの行を指定
14
1
0

  1. 目標位置指定方法にポイント番号による指定を選択、スピード/アクセル指定あり
    この場合は、引数3までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 Speed / SpeedS / SpeedR

選択した種別の速度テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

8
7 Accel / AccelS / AccelR

選択した種別の加減速テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

0

  1. 目標位置指定方法にパレットによる位置指定を選択、スピード/アクセル指定あり
    この場合は、引数4までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 位置 パレットの位置を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 Speed / SpeedS / SpeedR

選択した種別の速度テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

8
7 Accel / AccelS / AccelR

選択した種別の加減速テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

0

  1. 目標位置指定方法にパレットによる座標指定を選択、スピード/アクセル指定あり
    この場合は、引数5までを使用します。
    コマンド番号, 引数1, 引数2, 引数3, 引数4, 引数5
bit 名称 説明
引数2 15 パレット番号 使用するパレット番号を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数3 15 パレットの列を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数4 15 パレットの行を指定
14
1
0
bit 名称 説明
引数5 15 Speed / SpeedS / SpeedR

選択した種別の速度テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

8
7 Accel / AccelS / AccelR

選択した種別の加減速テーブルの番号を0から15の整数で指定

*設定がない場合は0を指定

0

応答書式

以下を参照して下さい。

応答コード

解説

アームを現在位置から指定位置まで直線補間動作で動かします。

Moveはアームを現在位置から目標座標まで直線移動させます。Moveでは全関節が同時に動き始め、同時に停止します。目標座標は、Move命令の実行前にあらかじめティーチングしておきます。Moveの加減速は、AccelS命令で制御します。Moveの速度は、SpeedS命令で制御します。SpeedSで設定した値が、それぞれの関節の許容速度を1つでも超えた場合、モーターの励磁をOFFしてマニピュレーターは停止します。

Moveの速度と加減速度はそれぞれSpeedSとAccelSの設定値を使用します。速度と加減速度の関係については、注意の「MoveをCPとともに用いる」を参照してください。ただし、ROT修飾パラメーターを指定しているときの速度と加減速度は、それぞれSpeedRとAccelRの設定値を使用します。その場合、SpeedSとAccelSの設定値は無効となります。

通常、移動距離が0で、姿勢関節のみが動作するような場合にはエラーとなります。ROT修飾パラメーターをつけてツール姿勢変化の加減速を優先することで、エラーなく動作が可能になります。ROT修飾パラメーターをつけたとき、姿勢変化がなく、移動距離が0でない場合には、エラーとなります。

また、移動距離に対してツール姿勢変化速度が大きすぎる場合や、指定された回転速度がマニピュレーターの限度を越えている場合もエラーとなります。その場合は指定速度を落とすか、またはROT修飾パラメーターを付けて姿勢変化の加減速度を優先するようにしてください。

Move動作完了以前にマニピュレーターを減速停止させたい場合は、Tillオプション指定できます。入力がオンかオフかをチェックし、指定した条件に基づいてアームを停止させます。この機能は、入力条件が成立するとMoveが中止される割込みに似ています。Move動作中一度も入力条件が成立しなければ、目標座標で指定された位置までアームは到達します。

Tillを用いる場合には、事前にTill設定コマンドにより条件を指定してください。

注意

  • Moveでできないこと
    動作を行う前に動作範囲確認はできません。したがって目標座標位置が許容動作範囲内にあっても、そこに至る軌道が許容動作範囲外を通過すると、アームが突然停止して、サーボに衝撃を与え、障害を生じる危険があります。これを防ぐために、Moveを高速度で実行する前に、低速度で動作範囲確認を行ってください。つまり、目標座標がアームの動作範囲内にあっても、Move動作でそこに至る軌道が、物理的にアームの許容動作範囲外にあると、アームは動かなくなります。

  • MoveをCPとともに用いる
    CPパラメーターを使うと、動作命令は減速開始と同時に制御を完了させます。これは、ユーザーがいくつかの動作命令をつなげ、連続した動作を一定の速度で行わせたいときに便利です。CP指定なしのMove命令では、アームは必ず減速して、指定された目標座標に停止します。

  • Moveに適切な速度と加減速度指示を与える
    SpeedSとAccelS命令は、Move動作中のマニピュレーターの速度と加減速度を指定しますが、SpeedSとAccelSは、直線および円弧補間動作に対する命令であることに注意してください。PTP動作に対しては、SpeedとAccel命令が適用になります。

  • 起こりやすいエラー

    • 直線移動距離が0となる動作を実行しようとした場合:
      Moveは、4自由度マニピュレーター (水平多関節型など、RSシリーズを含む)のU座標値や、6自由度マニピュレーター (垂直6軸型)のU, V, W座標値のみを変化させるような動作を行おうとするとエラーが発生します。この場合はROTパラメーターを使用してください。

    • 関節の制限スピードを超えた場合:
      指示された動作中に、1関節でも許容速度を超えると、オーバースピードエラーが発生します。モーターオーバースピードエラーの場合、アームは停止し、モーターの励磁はオフします。
      RSシリーズで原点近傍を通過する動作を実行した場合
      RSシリーズでは、Moveで原点近傍を通過するような動作を行うと、オーバースピードエラーが発生することがあります。原点近傍を通過するような動作については、以下のような対策を行ってください。

      • SpeedSの設定速度を下げる
      • 原点近傍を通過しない経路に変更する
      • Moveの代わりにGoなどのPTP動作を使用する

使用例

ポイント番号指定でポイント1を指定、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D5H 0000H 0001H 07D5H 0000H 0000H

パレット位置指定でパレット15を指定、位置10、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D5H 0001H 000FH 000AH 07D5H 0000H 0000H

パレット座標指定でパレット15を指定、列 = 1、行 = 3、オプションなしで設定

コマンド 応答
07D5H 0002H 000FH 0001H 0003H 07D5H 0000H 0000H

ポイント番号指定でポイント1を指定、スピード/アクセル = Speedのみ設定、テーブル番号 = 8で設定

コマンド 応答
07D5H 0100H 0001H 0800H 07D5H 0000H 0000H