ツール姿勢変化の加減速度を優先するCP動作
ロボットのツール先端の位置を、特定の座標に固定したままツール姿勢のみを変化させようとした場合や、ツール先端の移動距離に対してツール姿勢変化が大きい場合、ツール姿勢変化速度が大幅に速くなる可能性があります。これを防ぐため、ツール姿勢変化速度が大きい場合に自動で動作速度を制限する機能があります。
CP動作時のツール姿勢変化速度の上限値を手動で設定したい場合は、SpeedRLimitationをオンにしてください。その時、CP動作時のツール姿勢変化速度が設定したSpeedRを超える場合は、ツール姿勢変化速度がSpeedRになるように動作速度を制限します。ツール姿勢変化速度が設定したSpeedRを超えない場合は、設定したSpeedSで動作します。ツール姿勢変化速度の上限値はSpeedRであらかじめ設定してください。
例:
SpeedR 50 ' deg/sec
SpeedRLimitation On
Move P1
詳細は以下マニュアルを参照してください。
"SPEL+ランゲージリファレンス - SpeedRLimitation, SpeedR"
キーポイント
SpeedRのデフォルト値は低速に設定されているため、SpeedRを適切に設定しない場合、姿勢変化をともなうCP動作が遅くなります。SpeedRLimitationを有効にする場合は、SpeedSとともにツール姿勢変化速度の上限となるSpeedRを適切に設定してください。
また、CP動作命令にROTパラメーターを利用することで、指定した姿勢変化の主軸の角度速度、および角加減速度を基準に動作させることができます。
例:
SpeedR 50 ' deg/sec AccelR 200, 200 ' deg/sec2 Move P1 ROTツール姿勢変化は、一般に複数の回転軸周りの姿勢変化を合成して実現されます。
SpeedR, AccelR設定値は、姿勢変化の主軸の回転角速度, 回転角加減速度を指定するため、姿勢の回転軸が1軸のみとなる場合をのぞき、実際の姿勢変化の角速度, 角加減速度とは異なります。
また、ROTパラメーターを用いた動作命令の実行時は、設定されているSpeedS, AccelSは、無効となります。
ROTパラメーターは、以下の動作コマンドで使用します。
- Move
- Arc
- Arc3
- BMove
- TMove
- Jump3CP