概要
コンベヤートラッキングとは、ビジョンシステムまたはセンサーで認識したワークを、静止または動作コンベヤーからハンドリングするプロセスのことです。
センサーまたはビジョンカメラがコンベヤー上のワークを検出すると、その時点のコンベヤー回転位置を検出するエンコーダーのパルス値をコントローラーI/O入力がラッチします。ラッチされた位置と、その後のコンベヤーの回転によるパルス値を基に、動作するコンベヤー上のワーク位置を計算し、追従します。
Epson RC+ 8.0コンベヤートラッキングオプションは、トラッキングコンベヤーシステムとインデックスコンベヤートラッキングの両方をサポートしています。
トラッキングコンベヤーシステム
連続動作を行うコンベヤー上を流れてくるワークを、ビジョンシステム、またはセンサーシステムにより認識し、ロボットでハンドリングを行います。追従中、ロボットはワークのハンドリングを行いながら、ワークと同じ速度で移動できます。
インデックスコンベヤーシステム
一定間隔だけ動作して停止するコンベヤー上のワークを、ビションシステムにより認識し、ロボットがワークのハンドリングを行います。全部のワークについて終了したあと、コンベヤーは動作を再開します。
各プロジェクトに、合計16台の論理上のコンベヤーを定義できます。論理上のコンベヤーは、コンベヤー番号, ロボット番号, エンコーダーを設定し、ビジョン、またはセンサーのいずれかのタイプを選択して定義できます。
コンベヤートラッキングオプションは、コンベヤーを2台以上使用するマルチコンベヤー,ロボットを2台以上使用するマルチロボットコンベヤー機能もサポートしています。
コンベヤートラッキングの適用機種と接続方法は、以下のとおりです。
| コントローラー | 対応/非対応 | 接続方法 | |
|---|---|---|---|
| コンベヤートラッキングオプションキットB | PG (パルス出力)基板 | ||
| RC90シリーズ | 対応 | 非対応 | 最大2枚対応 |
| RC700-A | 対応 | 非対応 | 最大4枚対応 |
| RC700-D, RC700-E | 対応 | 非対応 | 最大3枚対応 |
| Tシリーズ | 非対応 | - | - |
| VTシリーズ | 非対応 | - | - |
| RC800シリーズ (*1) | 対応 | 対応 | 最大3枚対応 |
*1: RC800シリーズ (の一部)は非対応です。
マルチロボットの対応機種については、以下のマニュアルを参照してください。
"ロボットコントローラー マニュアル"
コンベヤートラッキングオプションで使用できるコンベヤーは、下図に示す直線コンベヤーと円形コンベヤーの2種類です。この2種類は、キャリブレーションとプログラミングが異なります。
- 直線コンベヤートラッキングシステム
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | カメラ |
| b | ロボット |
| c | ワーク |
| d | 直線コンベヤー |
- 円形コンベヤートラッキングシステム
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| a | ワーク |
| b | カメラ |
| c | 円形コンベヤー |
| d | ロボット |