Offsetの補正
移動ワークのピッキングについて
コンベヤートラッキングでは、下図のようにロボットのピッキング位置とワークの中心位置がずれることがあります。このずれは、ビジョンシステムのキャリブレーション精度誤差、ツールキャブレーションの精度誤差、トラッキング精度誤差などの影響で発生します。
対処法として以下を提案します。
ワークの傾きを約0°で流し、ワークをピッキングします。
ワークの中心位置とロボットのピッキング位置のずれ量を測ります。
1~2を5回ほど繰り返し、平均値を算出します。
プログラム中、追従動作時にoffset値を設定します。
> Jump Cnv_QueGet(1) +X(**)ワークの傾きを約90°で流し、ワークをピッキングします。
ずれ量が大きい場合、4で設定した値を変更し微調整を行ってください。
ワークの傾きを約0°で流し、ワークをピッキングします。
ずれ量が大きい場合、6で設定した値を変更し微調整を行ってください。
6~8を繰り返すことで、ピッキング精度を改善できる場合があります。
キーポイント
ビジョンシステムを使ってワークの中心位置とロボットのピッキング位置のずれ量を測定できる場合、以下の方法でOffsetの補正を行ってください。
ワークの傾きを約0度で流し、ワークをピッキングします。
ピッキングしたワークをカメラで撮像し、X座標とY座標を記録します。
1~2を5回ほど繰り返し平均値を算出します。
ワークの傾きを約90°で流し、ワークをピッキングします。
ピッキングしたワークをカメラで撮像し、X座標とY座標を記録します。
4~5を5回ほど繰り返し、平均値を算出します。
ワークの傾きを約180°で流し、ワークをピッキングします。
ピッキングしたワークをカメラで撮像し、X座標とY座標を記録します。
7~8を5回ほど繰り返し平均値を算出します。
ワークの傾きを約270度で流し、ワークをピッキングします。
ピッキングしたワークをカメラで撮像し、X座標とY座標を記録します。
10~11を5回ほど繰り返し、平均値を算出します。
3, 6, 9, 12の値を下図のようにプロットしoffset値を算出します。
プログラム中、追従動作時にoffset値を設定します。
> Jump Cnv_QueGet(1) +X(offset)
キーポイント
Offset値によって、上流限を超えてしまいエラー4406が発生する場合があります。
Wait Cnv_QueLen(1, CNV_QUELEN_PICKUPAREA) > 0
Jump Cnv_QueGet(1) +X(offset)
エラーが発生した場合、以下の方法のどちらかを行うことでこのエラーを回避できます。
Jump動作の前に待機時間を設定する。
キューを登録するときにoffsetを設定し、Jump動作時はoffsetを設定しない。
Cnv_QueAdd 1, Cnv_Point(1, x + x(offset), y)