システム構築時の注意事項
ツール設定について
ワークを正確にピッキングするには、ロボットのハンドに吸着パッドなどのツールを装着した状態で、ツール先端がワークを正確に捕える必要があります。
ツールを装着したロボットが、ワークを正確にとらえるためには、[ツール設定]パネルによるツール設定が必要です。
ツールの偏心は、定常的なピック位置のずれの原因となるため、必ずツールの設定を行ってください。
また、吸着パッドのゴムが劣化して不規則に ゆがんでいるなど、問題のあるツールを使用している場合は、ツール設定による修正ができません。問題のないツールを使用してください。
キーポイント
ツールの設定は、以下を参照してください。
ツール番号の選択は、以下を参照してください。
ツール調整後、動作確認を行いキャリブレーション結果が正確であることを確認してください。
設置および周囲環境について
ワークを正確にピッキングするには、カメラやコンベヤーが適切な環境に設置され、正しくキャリブレーションされている必要があります。
下図に示すような点に注意して、システムを設置してください。
コンベヤーシステム設置時の注意点
適切なカメラとレンズの選定、ワークディスタンス (レンズ端から被写体までの距離)の設定を行ってください。また、カメラ視野が ゆがまないように、カメラとコンベヤーの平行度を確保してください。
ロボット座標系 - コンベヤー座標系間の位置を確実に合わせるために、水平コンベヤーの水平度を確保してください。
傾斜コンベヤーの場合は、傾斜を正しくキャリブレーションしてください。
エンコーダーにすべりがあると、コンベヤーの進行が正しくパルスカウントされません。
ワークとコンベヤーのコントラストが低いと、ワークのエッジが検出されにくくなります。
周囲に振動や衝撃の発生源があると、カメラ, コンベヤー, ワークなどに、ずれやがたつきが生じ、精度低下につながります。
一般的な蛍光灯の光には、周期的なちらつきがあり、ワーク検出に影響します。画像処理用の蛍光灯やLED照明の使用を検討してください。
キーポイント
カメラとレンズは、必要なピッキング精度を満たすワーク検出が可能なように選定, 設置してください。必要なワーク検出精度は、必要なピッキング精度の3倍が目安です。ワーク検出精度向上のためにカメラ視野の変更を検討する場合は、以下を参照してください。
ビジョンキャリブレーション時の注意事項 - "カメラの視野の広さについて"