ワーク検出時のトラブルシューティング

ピック位置の教示について

ワークを正確にピッキングするには、ワークのピック位置がモデル原点として正しく検出される必要があります。ピック位置とモデル原点とのずれによる、ワークハンドリング時の定常的なピック位置のずれを解消するためには、例えば以下のような方法があります。

  • Corrオブジェクトや、Geomオブジェクトのモデル原点をピック位置と一致させたモデルティーチングを行い、CameraX, CameraYがピック位置となるようにする。
  • ワークの重心をピック位置とする場合、Blobオブジェクトで重心をモデル原点として検出し、CameraX, CameraYがピック位置となるようにする。

* CameraX: 検出ワーク位置のカメラ座標系でのX座標

* CameraY: 検出ワーク位置のカメラ座標系でのY座標

キーポイント


ビジョンオブジェクトの詳細は、以下のマニュアルを参照してください。

"Vision Guide 8.0 - ソフトウェア編 - ビジョンオブジェクト"

ワークがサーチエリアにあるのに検出できないとき

サーチエリア内のワークを検出できずに画像処理がエラーになる場合、ビジョンプロパティーを調整すると改善できる場合があります。以下を確認してください。

  • カメラの露光時間を調整する

    露光時間が長いと、移動ワークを撮像時に画像がぶれて、ワーク検出に影響します。ExposureTimeプロパティーで露光時間を短くしてください。

  • 形状スコアの値を調整する

    ワーク検出率が安定しない場合は、ビジョンオブジェクトのAcceptプロパティーを調整すると改善する場合があります。

キーポイント


ビジョンプロパティーの詳細は、以下のマニュアルを参照してください。

"Vision Guide 8.0 プロパティー&リザルトリファレンス"

ワーク検出精度が必要な精度を満たしていないとき

ワーク検出精度が必要な精度を満たしていない場合、ビジョンプロパティーを調整することで改善できる場合があります。以下を確認してください。

  • カメラの露光時間を調整する

    露光時間が長いと、移動ワークを撮像時に画像がぶれて、ワーク検出に影響します。ExposureTimeプロパティーで露光時間を短くしてください。

  • カメラの視野を調整する

    視野が広いと1ピクセルあたりの長さが長くなり、検出精度が低下します。XmmPerPixel, YmmPerPixelの値を確認してください。

キーポイント


例: コンベヤー速度100 mm/s で、0.5 mm程度の画像ぶれが許容できる場合露光時間5 msに設定します。

キーポイント


ビジョンプロパティーの詳細は、以下のマニュアルを参照してください。

"Vision Guide 8.0 プロパティー&リザルトリファレンス"

画像処理が、間に合わないとき

画像処理が、間にあわない場合、サーチエリアやビジョンプロパティーを調整することで改善できる場合があります。以下を確認してください。

画像処理が間に合わないときの注意点

  • オブジェクトのサーチウィンドウを調整する

    サーチウィンドウが広いと、ビジョンオブジェクトの実行にかかる時間が増加します。ワークが来ないエリアはサーチしないなど、サーチウィンドウは必要十分な範囲に調整してください。

  • 検出する対象物の数を調整する

    2つ以上のワークを同時に検出しない場合は、NumberToFindプロパティーを "1"にすると、実行時間を短縮できる場合があります。

  • 予想スケールの範囲を調整する

    ワークの大きさにばらつきがない場合は、ScaleEnableプロパティーを "False"に設定します。ばらつきが少ない場合は、ScaleFactorMax、およびScaleFactorMinプロパティーの値を許容できる範囲で狭めてください。

  • 回転検出範囲を調整する

    ワークの角度にばらつきがない場合は、AngleEnableプロパティーを "False"に設定します。ばらつきが少ない場合は、AngleRangeプロパティーの値を許容できる範囲で狭めてください。

  • タイムアウト時間を調整する

    画像処理時間が、タイムアウト時間を超過すると判断されたとき、その処理は打ち切られます。画像処理時間にばらつきがある場合は、Timeoutプロパティーを短く設定すると、検出率向上と実行時間短縮を両立できる場合があります。

キーポイント


ビジョンプロパティーの詳細は、以下のマニュアルを参照してください。

"Vision Guide 8.0 プロパティー&リザルトリファレンス"

ワークの背が高いとき

ワークに高さがある場合、下図のように、カメラの視野にはワークの側面が含まれます。このとき、ワークの上面と側面が類似した色をしていると、それらが一緒になってワークの上面として検出される場合があります。特に背が高いワークでは、この影響の程度に注意してください。

ワーク側面検出の影響

キーポイント


ワークディスタンスを長くするか、焦点距離が長く、画角が狭いレンズに交換すると、ワークの側面を検出する影響は低減されます。